超音波について
- 院長コラム
超音波とは
従来、超音波での描出は心臓や肝臓、子宮など体の深い場所にある臓器の観察が中心で内科や産婦人科の診療ではよく使われてきました。しかし、靱帯、腱、筋肉、神経、血管などの体の表面に近い組織の詳細な描出は困難でした。
近年、医療機器の性能向上により整形外科疾患においても超音波を利用し浅い場所にある組織をより詳細に評価できるようになりました。
このコラムでは超音波とは何か、超音波でどのようなものが描出されるか、などについてお話していきます。
・超音波とは
超音波は周波数が高くて耳に聞こえない音とされています。音の単位はHzで表され、人間に聞こえる音は低い音で20Hz、高い音で20,000Hzとされております。医療で用いる超音波の周波数は2MHz(200万Hz)~20MHz(2000万Hz)あたりを使用しております。
低周波の超音波は身体の内部まで届きますが,解像力は悪いです。一方,高周波の超音波は解像力はよいのですが,身体の深部まで届きません。観察する部位の位置によって超音波の種類をうまく使い分けることで,鮮明な像を観察することができます。
当クリニックでは5MHzと11MHzの2種類のプローブを観察する部位によって使い分けています。
医療用の超音波は、プローブから発信した超音波信号を体内の組織で反射させ戻ってきた信号をプローブで受診することにより装置本体で処理した画像を画面に出力しております。
・プローブ操作
観察したい組織に対し垂直(横)に切った画像を短軸像、水平(縦)に切った画像を長軸像と呼んでいます。
プローブ操作は思っているよりも操作が難しいです。エコーでの画像は見たい組織に垂直に当たると白く映ります。見たい組織に垂直にプローブを当てないと黒く写ってしまい、見たい組織を正確に観察できません。そのため、正確な組織の位置や走行などの解剖学的構造をしっかり知っていることが必要であり、その上でプローブの角度や傾きなどを微調整する必要があります。
・各組織の見え方
骨
筋組織
腱
神経
血管