肘内障
- 肘の痛み
症状
子供が手を引っ張られた後などに、痛がって腕を下げたままで動かさなくなります。
引っ張り以外(肘をひねったなど)でも起こることがあります。
原因と病態
肘についている輪状靭帯が関節内に脱臼することによって起こります。輪状靭帯の上には回外筋が付着しており、回外筋も輪状靭帯と一緒に関節内に入り込みます。
多くは、5歳以下の子供にみられます
診断
受傷時の状況と、肘をやや曲げた状態で下げたままにして、痛がって動かそうとしないことから、肘内障を疑います。
しかし、肘内障の中には肘関節の骨折も隠れていることもあり診断・整復には注意が必要です。
そのため、当院では全例超音波にて確認しています。
超音波にて肘関節内に血腫が認められる場合は肘関節骨折が疑われ、その場合はX線(レントゲン)検査やCT検査で骨や関節を確認します。
関節内血腫がないことを確認した際は、肘内障に特徴的なJサインを超音波で確認し診断いたします。
治療
徒手整復を行います。
整復後は今まで痛くて動かせなかった腕を挙げられることを確認し、超音波でも靱帯の脱臼が整復されていることを確認いたします。
整復の後はいつもと同じように腕をつかってかまいません。ただ、手を引っ張られることによって繰り返すこともあるので、注意してください。
肘内障の中には、肘関節骨折も隠れているためにYouTubeなどで整復動画を真似しながら脱臼整復操作をすることは絶対に行わないでください。
骨折があった場合、骨折のズレが大きくなり手術が必要になることもあります。
夜間であれば最寄りの救急外来に受診をお願いいたします。