コラム

足関節捻挫

  • 足首の痛み

原因と病態

足関節捻挫はスポーツ外傷の中で最も頻度が高く、その他には歩行時でも段差などで足関節を捻り生じることがあります。
捻挫とは、関節にかかる外力により非生理的運動が生じ、関節を支持している靭帯や関節包が損傷することで、軟部組織が写らないレントゲンでは診断が難しいとされています。

足関節には多くの靱帯が付着しており、よく損傷する部位としては下記があげられます。

 

  • 内側靭帯:前距腓靱帯(ATFL), 踵腓靱帯(CFL)
  • 前方靱帯:前下脛腓靭帯(AITFL)
  • 後方靱帯:後下脛腓靭帯(PITFL)
  • 外側靭帯(三角靭帯)

靭帯の損傷程度によって、捻挫の程度を三つに分けています。
靭帯が伸びる程度の損傷をⅠ度捻挫、靭帯の一部が切れるものをⅡ度捻挫、靭帯が完全に切れるものをⅢ度捻挫と定義しています。

症状

足関節(足首)捻挫のほとんどは、足関節を内側・外側に捻って生じます。
足関節外周囲の靱帯が損傷し、外くるぶし(外果)周囲や内くるぶし(内果)周囲に痛みがあり、腫れがみられ内出血することもあります。
また、損傷靱帯部を押すと痛みがあり、程度によっては荷重時の痛みも生じることもあります。

 

診断

レントゲン写真で、足関節捻挫に合併しやすい足関節周囲の骨折の有無を確認します。

靱帯損傷自体はレントゲンには写らないために、超音波にて損傷具合を確認し靱帯のゆるさも確認します。

必要時にはMRI撮影を行うこともあります。

治療

捻挫には重症度があり固定期間などが異なってきます。

☆前距腓靱帯(ATFL)損傷、踵腓靱帯損傷(CFL)損傷☆

  • Ⅰ度(靱帯腫脹のみ)
    • 固定:サポーター
    • 固定期間:1〜2週
    • 復帰期間:約2週

 

  • Ⅱ度(靱帯部分断裂)
    • 固定:シーネ
    • 固定期間:約2〜4週
    • 復帰期間:約5〜6週

 

  • Ⅲ度(靱帯完全断裂)
    • 固定:シーネ or ギプス
    • 固定期間:約4〜6週
    • 復帰期間:約8週
    • 不安定性が強くスポーツ復帰が難しい場合は手術検討

 

☆前下脛腓靭帯(AITFL)損傷、後下脛腓靭帯(PITFL)損傷☆

  • Ⅰ度(AITFL損傷)、Ⅱ度(Ⅰ度+ IOL(骨間靱帯)損傷)で関節不安定性なし
    • 固定:シーネ
    • 固定期間:約1週
    • 復帰期間:約2~3週

 

  • Ⅱ度で関節不安定性あり、Ⅲ度(Ⅱ度 + PITFL損傷、三角靱帯損傷)
    • 固定:シーネ or ギプス
    • 不安定性が強く手術検討

 

 

上記以外にも体格や年齢、スポーツ歴なども考慮し保存方法や固定期間も変わるときがあります。

 

捻挫は軽く考えがちな方も多いかと思いますが「捻挫=靭帯損傷もしくは靭帯断裂」です。

正しく診断・治療を行わないと足関節に後遺症による慢性的な疼痛が残りやすいです。

固定期間中も痛みがなくなったからと言って自己判断で固定を除去したりしないように気を付けましょう。

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